目次
前提
憲法の保障する基本的人権の保障は、権利の性質上日本国民のみをその対象としていると解されるものを除き、わが国に在留する外国人にも等しく及ぶと解すべきである。
(外国人の人権共有主体性)
論証
外国人に選挙権(15条1項)は保障されるか。
この点につき、選挙権は公務員を選定罷免する権利であるところ、国民主権原理(前文、1条)の下では、公務員の終局的任免権は主権者たる日本国民にあると解される。
よって、選挙権は権利の性質上日本国民のみをその対象とし、わが国に在留する外国人に対しては保障されないものと解される。
関連条文
前文第一段
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
1条
天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
15条1項
公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
判例
最三判平7・2・28