目次
論証例
外国人は憲法上の権利の主体として認められるか。第3章の表題が「国民の」権利及び義務とされていることから問題となる。
この点につき、憲法上の権利は国家にその保障を請求しうる権利であることから、その主体として、第一次的には国家の構成員である国民を想定しているものと解される。
もっとも、だからといって、外国人は憲法上の権利の主体として認められないわけではない。人権が前国家的なものであること、憲法が国際協調主義を要請していること(98条2項)から、憲法の保障する基本的人権の保障は、権利の性質上日本国民のみをその対象としていると解されるものを除き、わが国に在留する外国人にも等しく及ぶと解すべきである(マクリーン事件)。
そこで、いかなる人権が権利の性質上外国人にも適用されるのか、またその保障の程度はどのようなものかが問題となる。保障の有無及び程度については、日本に永住資格を有するかなど、その外国人の生活実態に照らして個別具体的に検討する必要がある。
判例
マクリーン事件(最大判昭53・10・4)