未成年者の人権享有主体性・人権制限

未成年者の人権享有主体性

未成年者は、憲法上の権利の主体として認められるか。

この点につき、未成年者も「国民」（憲法第３章）であるから、憲法上の権利の主体として認められる。

未成年者は、人権の享有主体であるか。

この点につき、人権は人間である以上当然に享有できる普遍的な権利であるから、未成年者も人権の享有主体である。

未成年者の権利に対する制約は認められるか。

まず、未成年者も「国民」（憲法第３章）であるから、当然に人権が保障される。

一方で、人権は、十分な判断能力を有する成熟した人間を想定して保障されるものである。

もし、十分な判断能力を有しない未成熟な未成年者に対して、成熟した人間と同程度の人権を保障するならば、誤った人権行使によって、他者の心身に対してのみならず、自己の心身に対しても回復不可能な損害を発生されるおそれがある。

したがって、他者加害防止の観点に加え、自己加害防止により未成年者の心身の健全な発達を図る観点（パターナリズムの観点）から、未成年者の権利を制約することは認められる。